突然の心停止は心臓が細かく震える心室細動によって生じることが多く、この場合、心臓の動きを戻すには電気ショックによる徐細動が必要となります。心停止から徐細動実施までにかかる時間が、傷病者の生死を決定する最も重要な因子になります。
心室細動になってから電気ショックを行うまでの時間が1分遅れるごとに社会復帰率が7〜10%ずつ低下することが知られています。救命率を上げるにはできるだけ早期(心停止から5分以内)の徐細動が必須です。わが国では119番通報をしてから救急車が到着するまで平均6分以上かかるので、救急車を待つ間に現場にいる市民がAEDを用いて徐細動を行うことが大切です。
市民によるAEDを用いた徐細動の有効性は、多くの臨床研究によって示されています。さらに、AEDはコンピューター作動によって、自動的に心電図を解析して徐細動が必要かどうかを決定し、電気ショックを音声メッセージで指示するので、簡単で確実に操作できます。市民はAEDを含む心肺蘇生の講習を受けておくことが望まれます。
AEDを用いて徐細動を行う市民が大幅に増えることによって得られる社会的な利益は、心停止から徐細動実施までの時間を短縮できること、その結果として徐細動の恩恵を多くの心停止傷病者が享受できることです。
市民によるAED